高血圧が引き起こす合併症

心臓に関するもの

「心肥大」
これが続くと「心不全」になり、動悸・息切れ・呼吸困難などに陥り、生命にも関わります。

「狭心症」
動脈硬化によって心臓の冠動脈が狭くなり血液の供給が低下した状態を「狭心症」と言います。

心臓の虚血状態が急に起こって、10分以内で回復するものです。一時的な血液不足で胸の痛みも10分くらいで楽になりますが、何度も繰り返し起こるのが普通です。


「心筋梗塞」
冠動脈がさらに細くなったり、血栓が詰まることで、血液が供給されない部分が懐死する病気が「心筋梗塞」です。

最初の発作で3割の方が亡くなり、半数以上は1時間以内に亡くなると言われています。


「腎障害」
腎臓の小動脈の動脈硬化が腎機能を低下させることを「腎障害」「腎硬化症」といいます。

進行が遅いため発見されにくいのですが、腎不全にまで疾患が進行すると血圧は更に上がります。


「糖尿病」
高血圧が直接の原因ではありませんが、高血圧の人はそうでない人に比べて2~3倍も多いことがわかっています。

高血圧の人が糖尿病になると、それぞれの病状が加速され、「心筋梗塞」などが起こりやすくなります。

高血圧と脳卒中・心筋梗塞の関係

現在では高血圧が 160/100mmHg以上の人は、120/80未満の人の7倍の確率で脳卒中や心筋梗塞となるそうです。

健康診断で指摘されて放置されている方は注意して下さい。


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高血圧を放置した場合

血圧が高い状態が続くと血管や臓器に損傷が起こり動脈硬化も進みます。

その結果、高血圧の合併症になる危険が高まります。

高血圧は自覚症状がなくても放置せず、血圧コントロールが必要です。

脳卒中
血管が破れて脳内に出血する脳出血、血管に血栓が詰まる脳梗塞などがあります。

心臓病
強く血液を送り出すために心臓肥大となり心臓の機能が衰える心不全や、動脈硬化から心臓の冠状動脈が狭くなったりつまったりする狭心症や心筋梗塞が起こりやすくなります。

腎臓病
高血圧で細小動脈の硬化が進むと腎臓萎縮が起こり(腎硬化症)、腎臓の機能が低下します。腎不全や尿毒症になる場合もあり、人工透析が必要になることもあります。

平均血圧96(130/80相当)では年齢相当の腎機能低下に留まります。

平均血圧100(130/85相当)では毎年約3mL/分の腎機能低下を生じ、20年後には約60mL/分の腎機能低下を生じる計算になります。

平均血圧106(140/90相当)では毎年約6mL/分の腎機能低下を生じ、10年後には約60mL/分の腎機能低下を生じる計算になります。

健康人の糸球体ろ過値は約100mL/分ですから約60ml/分も低下すると残腎機能は約40mL/分となり、糸球体ろ過値が30mL/分以下である慢性腎不全の一歩手前の状態となってしまいます。


高血圧での頭痛には要注意

高血圧の症状のひとつとして、頭痛がありますが、実際に、高血圧になっても、自覚症状というのはほとんどないそうです。

高血圧になったり、低血圧になっても、自分ではわからないのです。

高血圧が引き起こす病気というのは、気付かないうちに、進行してしまっていて、気づいたときには、もう手遅れの状態である場合も多いのです。

で高血圧の頭痛というのは、急性的な耐えがたい痛みの頭痛である場合がほとんどのようです。
そういう症状の場合は、
脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)による頭痛の可能性が非常に高くなります。

慢性的に頻繁に起こるような頭痛症状で悩んでいるという場合には、その原因は高血圧というよりも、他の原因が潜んでいる可能性があります。